蜂の失踪

死骸がない

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カナダの養蜂協議会(Canadian Honey Council)によればCCDが発生したコロニーでは共通して以下のような兆候が最終的なコロニー崩壊の前に発生している。

  • 幼虫を維持するだけの若い成蜂(働き蜂)がコロニーから不足または完全にいなくなるものの、コロニーの周囲には死んだ蜂がほとんど見られない
  • コロニーに巣房蓋のある巣房が残っている。これは羽化前の蛹が存在することを意味する。ミツバチは通常、蛹が全て羽化して巣房を出るまで巣を放棄しない。
  • 蜂蜜や花粉といった食料は備蓄されたままである。そのため、これらがごく短時間のうちに他の蜂に奪われることはない(盗蜂は容易に起きない)。また食料が備蓄されていれば、蜂の巣を襲う天敵(蜂にとっては害虫)例えば、ハチノスツヅリガやケシキスイからの攻撃も巣に籠もることで防御できるため、敵による攻撃も考えにくい。
  • コロニーの構成員は、砂糖水や蛋白質などの餌をあまり食べようとしない。
  • 女王蜂は生存する(失踪しない)。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

どこに消えたのでしょう?

農薬の可能性も原因の一つとして考えられています。フランス政府は、科学的根拠が無いものの、殺虫剤の成分とミツバチ失踪の因果関連を踏まえて、予防原則に基づき、一部の農薬を使用禁止にした…

OIST(沖縄科学技術大学院大学)の博士課程3年に在籍し、ミツバチの研究をしている長谷川のんのさんは「農薬、気候変動、生息地の喪失など、さまざまな要因がからみ合っていることはほぼ間違いありません。私が興味を持っている二つの大きな要因は寄生虫と病原菌です」と指摘しています。(The Asahi Shimbun GLOBE+)

テレビ番組でお見かけした長谷川さんがおっしゃっているように様々な要因が絡み合っていることは間違いないでしょう。でも、病気が原因である場合は死骸があるはずで、失踪事件の原因ではないような気がします。

野口のタネの野口勲氏の説が有力ではないかと個人的に考えています。

以下のミトコンドリアの異常説を紹介します。

ミトコンドリアの遺伝子が異常になると起こるのが、無精子症です。動物の場合、無精子症の男性は子供を作れませんから、その血筋は、その男子で絶えます。しかし植物は、多くが雌雄同体ですから、雄しべが異常で子供を作れなくても、雌しべが正常なら、他の個体の花粉で子供を作れます。しかし生まれた子供は、すべて母系遺伝によって雄しべが異常です。このような男性機能を失った植物のことを「雄性不稔(male sterility)」といいます。

スーパーで買った玉葱や人参、大根、白菜、キャベツ、ブロッコリーなどを、全部食べてしまわずに、その一つを庭かプランターに植えてみて下さい。冬が過ぎ春が来ると、その野菜は花を咲かせます。その花を虫眼鏡で見ると、高い確率で雄しべのない花が観察できます。これらは生命力の根幹であるミトコンドリアの遺伝子が異常になって、男性機能を失った、自分では子孫を作ることができない植物なのです。いったん誕生した雄性不稔個体は、F1の母親に使われて、子孫を作れない、未来のない植物が増殖されて市場に増え続け、人間はそればかりを食べる社会になっています。食べ物は腸でアミノ酸に分解され、血流に乗って細胞に運ばれて体を作るとともに、腸が変化した卵巣や精巣という生殖器官の中で子孫を作る原料にされます。子孫を作れないミトコンドリア異常の植物ばかり食べていて、我々動物のミトコンドリアは、異常にならないのでしょうか? ―中略―

養蜂家で生物学者のランディ・オリバー(Randy Oliver)氏が「CCDと似た現象は、約20年ごとに繰り返し起きている」と語っています。2007年の時事通信による最初の報道でも、「1960年代にも同様の現象が起こったことがあるらしい」と、養蜂家の間で語り伝えられていたであろう伝承を伝えていました。つまり、1960年代から約20年ごとに起こるという周期性があるのです。周期があるということは、いまだに主因不明といわれるCCDと、ミツバチの生態との間に、特定の原因があるということではないでしょうか。少なくとも1990年代から販売開始されたネオニコチノイド系農薬が20年周期を生んでいないことは間違いありません。そしてCCD(と似た事件)が最初に起こった1960年代というのは、雄性不稔のF1タマネギ種子が販売開始された1940年代から約20年後なのです。

20年周期というのは、20年間、代々の女王蜂に蓄積された「何か」が作用して、10世代目の女王蜂が生んだ雄ハチが、無精子症になって生まれたのではないか。オカマの雄バチの誕生に驚いた数万の働きバチたちが、コロニーに未来が無いことを悟り、未来のない巣箱を見捨てて虚空に飛び去ったのではないか。というのが、CCDに関する私の仮説です。

野口勲 山崎農業研究所「耕」134号より 一部抜粋

虫が苦手な人は多いと思います。私も虫は苦手ですが、どんな命も必ずお役目があるのです。虫たちは地球の循環のために大切な役割を持って生まれてきているのだから、なるべく殺生しないように無視しようと思います。

「もし人類がこの地上から消え去ったなら、50年以内にあらゆる生命は繁栄を謳歌するだろう。」人間たちがいなくなれば他の地球上の生命たちは幸せに暮らせる…とならないように、人間も地球の循環の輪に入らなければならないですね。

END